イーサリアム2.0とは?アップデートの目的と予定について

イーサリアム2.0とは?

イーサリアム2.0とは今後行われるアップデートのことで、イーサリアムに発生している様々な問題を解決するためのアップデートです。

 

イーサリアム2.0の目的

①スケーラビリティ問題の解決
②安全性の向上
③環境に配慮したエコシステムへの移行

スケーラビリティ問題の解決

イーサリアム取引数上昇に伴い、トランザクション数が増えたことでトランザクション処理能力が不足しており、送金速度の低下取引手数料の高騰などが問題となっています。
これらの問題はDeFi(分散型金融)の登場によるトランザクション数の増加が原因になっています。

現在のイーサリアムのトランザクション処理能力は毎秒15個ですが、イーサリアム2.0では毎秒500個のトランザクション数を処理でき、手数料も50分の1まで減少する可能性があるとのことです。

安全性の向上

イーサリアム1.0のコンセンサスアルゴリズムにはPoWが採用されています。PoWはハードウエアを使用してトランザクションを承認するアルゴリズムで、多くのハードウェアを使用してネットワークにより貢献している人ほどその報酬額も上昇する仕組みになっています。

PoWではハッシュレートの51%以上を持っている個人やグループがトランザクションの内容を改ざんできるというリスク(51%攻撃)が存在しています。個人でイーサリアムのマイニングを行いハッシュレートを稼ぐには難易度が高いため、PoWでは資金を潤沢に持っているグループや企業などがハッシュレートを独占して51%攻撃をすることが容易に可能。

コンセンサスアルゴリズムをPoWからPoSに変更することで51%攻撃の難易度とそれを行うためのリスクを大幅に増やして、51%攻撃に対する耐性を高めます

 

環境に配慮したエコシステムへの移行

イーサリアム1.0はPoWでトランザクションを承認しているが、トランザクション計算処理時のマイニング機器によるエネルギーの大量消費が問題になっている。

イーサリアムの将来性や需要が増して取引量が増える中でマイニングによる電力消費量も増えており、これらの環境破壊につながるマイニングを規制または禁止する国が増えてきた。

マイニングが規制されるとハッシュレートが低下するため、今までよりネットワークに遅延が発生して取引に遅延が発生する恐れもある。

これらの問題を解決できるPoSを採用し、ETHを多く所有しているノードがトランザクションを処理する仕組みに変更。

マイニングの難易度をさげて分散性を向上させると共にPoSでの承認時の計算作業をなくして、電力などのエネルギー消費をほぼ0に近い数字にすることができる。

 

イーサリアム2.0の主なアップデートの種類と予定

Phase0 
ビーコンチェーン(Beacon chain)

PoSへの変更によりイーサリアム2.0のネットワークを構築するためには一定数のバリデータが必要となる。

バリデータとはイーサリアム2.0のトランザクションを承認するノード(ETHの所有者)のことで、バリデータとなるには32ETH以上のステーキングが必要になる。

ステーキングとはイーサリアム2.0上のネットワークにETHを預けることを言い、32ETH以上のステーキングを行ったバリデータがトランザクション報酬(マイニング報酬)を受け取ることができる。

ビーコンチェーンとはバリデータの管理システムのことを指し、ビーコンチェーンの導入とバリデータの収集がビーコンチェーンアップデートの主な目的で、イーサリアム2.0の導入の基本となる重要なアップデートである。

この段階ではビーコンチェーンの導入のみ行われ、コンセンサスアルゴリズムはPoWのままなのでGPUマイニングは可能である。

このビーコンチェーンアップデートは2020年12月1日に開始され、現在はビーコンチェーンに必要なバリデーター以上のステーキングがすでに完了している。

バリデーターになるために必要な32ETHを個人で用意するのは難しいが、Binanceなどの取引所で行えば小額からのステーキングが可能である。

 

Phase1 
ザ・マージ(The marge)

PoWからPoSに移行するためのアップデートはThe margeと呼ばれ、PoSへの移行を促すためのアップデートである。

PoWネットワークとビーコンチェーンで追加されたPoSネットワークの統合を行い、一時的にハイブリッドネットワークにして、PoWでPoSのネットワークを支えつつPoSへの完全移行とPoWの廃止することが狙いである。

ザ・マージのアップデートが完了した後、PoWを完全に廃止するクリーンアップデートが予定されており、マージが完了後にイーサリアムのプルーフオブワークによるマイニングは不可能となる。

The margeアップデートは2021年または2022年までには実装予定である。

 

Phase2 
シャードチェーン(Shard chain)

シャーディングの実装

シャードチェーンとはスケーラビリティー問題を解決するためのアップデートでシャーディングという機能を実装をすることでスケーラビリティ問題を解決するためのアップデートである。

従来のトランザクション処理はすべてのノードがすべてのトランザクション処理を行っており、ノード当たりの負荷が大きくこれがネットワークの遅延につながっていました。

シャーディングではこれらのトランザクション処理をシャードと呼ばれる各グループに分散させて処理を行うことでノード当たりの負荷を減らして、処理速度を向上させる狙いがあります。

シャーディングの実装でトランザクション処理能力は毎秒15個から毎秒500個に増えるという情報もあり、高速処理によって手数料も50分の1まで減少する可能性があるとのことです。

 

eWASMの導入

イーサリアム1.0ではスマートコントラクトの実行やトランザクション処理は、EVM(Ethreum Virtual Machine)というイーサリアムノード内に存在するプログラム実行環境によって行われています。

EVMではSolidityというプログラム言語が使用されていて高性能な反面、イーサリアム専用言語なため、EVMでのスマートコントラクトを使用した開発は複雑になりやすくわかりづらいという欠点があります。

eWASMとは、ブラウザ上でプログラムを実行できるシステムであるWASMをイーサリアム用に改良したプログラム実行環境のことである。

eWASMを導入することで従来の開発によく使われているC/C++言語などを使用できるのでEVMの複雑さを補うことができます。

またWASMはGoogle、Microsoft、Appleなどが開発を進めているということもあり、自ら管理が必要なEVMに比べてメリットも大きい。

イーサリアムノードの処理をノード内(内部)で処理するのではなくブラウザ上(外部)で処理するという点も大きく違う。

 

イーサリアム2.0アップデートによる価格への影響

2021年春にイーサリアムマイニングの利益がピークを迎えたことによるマイニングブームの発生でPoWでの電力消費量が各国で問題視されてマイニングを禁止する国が急拡大したことで、仮想通貨全体へのマイナスイメージへとつながりました。

環境を懸念したテスラ社がビットコイン決済を中止するニュースが出回ったことで2021年の仮想通貨高騰が止まり仮想通貨全体の暴落を引き起こしたので、エネルギーを使わないエコな仮想通貨が今後注目されるはずです。

いち早くこれらに取り組んでいたイーサリアムは、2.0へのアップデートによってイーサリアムの実用性が増す形になるので、イーサリアムの価格が暴騰する可能性は大いにあります。

 

イーサリアムの今後

イーサリアム2.0へのアップデートで仮想通貨としての価値や実用性の向上が見込めるため、価格も上昇する可能性が大いにあります。

今回は主なアップデートの概要の説明のみですが、EIPというイーサリアムの改善アップデートは数か月に一度程度行われており、イーサリアムの開発状況はこまめにチェックしたほうがよいでしょう。

イーサリアムは他の仮想通貨と比べて積極的にアップデートがおこなれている通貨であるので、イーサリアムによって仮想通貨業界はさらに明るくなるかもしれませんね。